いつか見た夕暮れ

生きていると、突然何かがやってくる。良いことにしろ、悪いことにしろ、突然やってくる。

大腸がんステージ4b。この言葉を聞くと誰でも息を飲む。私もそうだった。自分の体の中で、一体何が起こっているのか。現実とは何ともろく、何とはかないものなのか。くらくらしながら見える日常の景色は、全てが歪み色味が失われていた。いつも見ていた景色や風景ではなくなっていた。

そしていつからか、今まで見てきた景色とは違った感覚で、しかもその瞬間瞬間を鮮明に見ている自分が存在することに気付くことに。

そんなある日の夕暮れ。西の空全面が、まるでライティングされたショーステージのように、発色よく黄色・オレンジ・ピンクと見る見る間に変化を遂げてゆく。今までに見た夕焼けが消し飛ぶほどに、とてつもないエネルギーを持ちながら耀いている瞬間と出会う。思わず息をするのも忘れるくらいに、圧倒されながら、自分も夕焼けの一部になっているかのように全身が溶け込んでいた。とどまることなく、大空を掴み取り、やがて大人しく回りとの調和を保っていった。

「ああ私は生きているのだな…」

死を漠然としたものではなく、目の前にあるものと理解していたとともに、生もまた目の前にあることを理解した。

私は生きようと思う。

そんな夕焼けをテーマに描いてみました。